夏に流行しやすい疾患で、主に子供を中心に流行します。
患者さんの80%が5歳未満の幼小児ですが、まれに大人の方に感染することもあります。
幼稚園や保育園で広がりやすい疾患ですので、お子様の体調をよく観察することが大切です。
手足口病にかかるとその名の通り、口の中や口の周辺、手のひら、足の裏、足の甲などに小さな水疱性発疹(ちいさなぷつぷつしたできもの)ができます。
口の中にできた発疹は痛みやかゆみがでやすい一方、手足の発疹は症状が無い場合が多くなります。
発熱する割合は3割程度で、発熱したとしても高熱になることはあまりありません。
ただし、まれではありますが、中枢神経系の合併症(髄膜炎、小脳失調症、脳炎)や心筋炎などを引き起こすことがありますので、注意が必要です。
手足口病はウイルスによる感染ですので、手足口病自体に効く薬は無く、熱やかゆみがある場合は症状を緩和しながら治癒を待つこととなります。
大抵の場合は発症してから数日で完治します。
口の中にできた発疹が痛く飲食を嫌がるお子様がいますので、食べやすいものを与えることと、脱水症状にならないように水分をしっかり摂らせてあげることが大切です。
脱水症状になってしまった時は点滴などの処置を行います。
高熱や、嘔吐、頭痛などの症状を訴えている場合や、ぐったりとしている時は他の疾患を併発している可能性がありますので、できるだけ早期に医療機関を受診してください。
手足口病は、コクサッキーウイルスA6、A10、A16、エンテロウイルス71(EV71)というウイルスが原因となります。
感染経路は空気中のウイルスを吸い込んで感染する飛沫感染、ウイルスに触って感染する接触感染、便と共に排出されたウイルスが体内に入り感染する糞口感染があります。
手足口病にはワクチンがありませんので、以下の2つの点に注意してください。
①幼稚園や保育園では幼小児同士の接触が多く、感染が広まりやすいので、しっかりと手洗いをすること
②おむつ交換の時は適切に処理し処理後の手洗いを十分に行い、ウイルスが含まれた便に触れた手でお子様に触れないようにすること