インフルエンザは例年11月~12月頃に流行が始まり、1月~3月にピークを迎えます。
感染力が非常に強く呼吸によってウイルスが体内に入ると、のどや気管支、肺で増殖し発症します。
感染者の約半数は0~9歳の小児と言われていますので、お子様が通っている幼稚園・保育園、小学校でインフルエンザが流行している時は特に注意が必要です。
インフルエンザの予防にはワクチンの接種が有効です。
例年流行する11月の前には接種するようにしましょう。
ワクチンを接種することで、感染を防げたり、感染した場合でも症状を抑える効果が期待できます。
インフルエンザウイルスの型によってワクチンも変わるため、毎年10月にワクチンを接種するようにしましょう。
インフルエンザウイルスに感染すると、1~3日の潜伏期間を経てインフルエンザを発症します。
インフルエンザを発症すると、突然38℃を超える高熱がでます。高熱に加えて全身の倦怠感や食欲不振、節々の痛みなど全身症状を伴います。
高熱に加えて咳(せき)やのどの痛み、鼻水の症状があらわれ、場合によっては吐き気などの症状があらわれることもあります。
通常7~10日程度で症状は治まります。
インフルエンザにかかり、発熱後にけいれん、意識障害、異常行動が見られた場合はインフルエンザ脳症の可能性があります。
インフルエンザ脳症は上記のような急激に進行する神経症状に加えて、血管が詰まったり、多くの臓器が働かなくなることがあり、命に関わります。
インフルエンザ脳症の進行は極めて早いので、インフルエンザと診断されていなくても急激な高熱の後にけいれんや意識障害、異常行動などが見られた場合は、直ちに病院を受診してください。
インフルエンザの治療には、インフルエンザウイルスの増殖を抑える「ノイラミターゼ阻害薬」とよばれる抗インフルエンザウイルス薬を使用します。
ただし、インフルエンザウイルスは増殖のスピードが早く、発症後48時間以内に増殖のピークがきますので、48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬を使用しないと効果があらわれにくくなります。
急激に高熱がでた場合はできるだけ早期に医療機関を受診しましょう。
抗インフルエンザウイルス薬の服用と同時に、症状を緩和させる対処療法を行うこともあります。
インフルエンザの原因はインフルエンザウイルスに感染することです。
インフルエンザウイルスは大きく分類すると、A型、B型の2つに分類することができます。
それぞれ症状や感染力に違いがあり、A型は症状が重くなる傾向があり、感染力が強いため過去には香港かぜやスペインかぜのような大流行(パンデミック)を起こしています。
B型はA型に比べると症状が比較的軽く、限られた地域で流行する場合が多いです。
近年は新型インフルエンザと呼ばれる新しいウイルスが登場しています。
新型インフルエンザは過去人類が感染した経験が無いので、免疫が存在しないため重症化しやすく、大流行(パンデミック)を起こしやすいので注意が必要です。
日本でも高病原性鳥インフルエンザが発生していますが、鳥から人への感染は確認されていません。
しかし、世界では鳥から人、さらには人から人への感染が発生していますので、海外旅行をされる場合は注意が必要です。
インフルエンザは感染力が強いので、お子様がかかってしまったときは、ご家族にうつらないように手洗い、うがいをしっかりと行いましょう。
ご自身がインフルエンザにかかってしまった場合、症状が治まってもウイルスの排出は続いています。
医師から処方された薬を飲み切るようにし、外出や登校、出勤は医師の判断を受けてから行ってください。