鼻血の約90%はキーゼルバッハ部位と呼ばれる鼻の入り口付近の血管が傷つくることで出血が起こります。
適切な対応をすればほとんどの鼻血は30分以内には治まり、おおむね問題はありません。
ただし、血液をサラサラにするワーファリンのような抗凝固剤を常用されている方や体質的に血が止まりにくい方は一度鼻血が出るとなかなか止まらず、止血に苦渋する場合があります。
出血している部位を直接診て、あるいは内視鏡を用いて確認し止血を行います。
その後出血部位を薬剤を用いて固めたり、電気で焼灼凝固を行ったりして止血します。
上記の方法で止血できない時や出血部位が確定できない時には鼻の中に軟膏を塗ったガーゼタンポンや、止血用タンポンをパッキングして止血することもあります。
鼻血のあった時には慌てずに、まず落ち着いて止血することが大切です。
興奮すると、血圧が上昇し、血流も増えるので却って止まりにくくなります。
まずは落ち着いて冷静に正しい止血手技を行ってください。
繰り返し鼻出血がある場合でも小鼻を圧迫して、短時間で止血できるものはあまり心配ありませんが、圧迫しても止まらない場合は、キーゼルバッハ部位以外から出血していたり、血液疾患など全身の病気の可能性がありますので耳鼻科の診察を受けてください。
鼻血が出た際に浮かんでくる疑問や心配の数々・・・。
あいばクリニックでよくお受けする鼻血に関しての質問をまとめてみました。
体重60㎏の人の全血液量は体重の8%約4800mlです。
短時間で全血液量の20%(体重60㎏の人で約960ml)を失うと出血性ショックに、30%(体重50㎏の人で約1440ml)を失うと生命が危険になります。
鼻出血ではここまでの出血量をきたすことはほとんどありませんので、鼻血で生命にかかわるようなことは非常にまれだと言えます。
子供の鼻血の場合、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、急性鼻炎といった鼻の局所疾患が原因であることが多いです。
鼻閉、鼻汁、鼻の痒みなどの症状があると鼻の不快感から、鼻をこすったりいじったりを頻繁に繰り返し鼻の粘膜を傷つけてしまうことによって鼻出血を繰り返します。
鼻いじりの原因となっている疾患の治療を行うことが結果的に繰り返し起こる鼻出血の治療につながります。
鼻血に加えて頻繁に体全体(手足など)に青あざを作るような方は、内科・小児科で一度全身の検査を受けられたほうがよいでしょう。
下記の手順を参考に止血を行ってください。