感染性胃腸炎は病原微生物(細菌やウイルス、寄生虫など)が原因となって発症する胃腸炎(下痢、嘔吐)です。
このページでは代表的な感染性胃腸炎であるノロウイルス、ロタウイルスによる胃腸炎について紹介致します。
感染性胃腸炎の主な症状は下痢、腹痛、吐き気、嘔吐などですが、原因となる病原によって症状が異なります。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の症状
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の症状の特徴としては、突然始まる嘔吐、下痢、があります。
一方、高熱になることはほとんどありません。
ノロウイルスに感染すると1~2日の潜伏期間を経た後に、強い吐き気が出てきます。
吐き気は強いもので、我慢できずに突然吐いてしまいます。
吐き気が治まった後は、水のような下痢が2~3日続きます。
特にお子様の場合は、1日に20回以上の下痢を繰り返すことがあり、そのような場合は脱水症状を起こし入院が必要となることがありますので注意が必要です。
ロタウイルスによる感染性胃腸炎の症状
ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、他のウイルス性胃腸炎に比べて下痢や嘔吐の症状が激しいことが特徴です。
具体的な症状としては、1~3日の潜伏期間を経て激しい嘔吐や下痢、39℃以上の高熱がでます。
特に大量の水溶性の下痢が続き、便は白っぽく酸っぱい臭いがします。
感染胃腸炎には有効な薬がありませんので、症状を緩和させる対処療法を行います。
基本的には安静にし、ウイルスが体の外へ排出されるのを待つこととなります。
脱水症状に陥っている場合や、水分を摂取しても吐いてしまう場合は点滴による水分補給を行います。
下痢止めはウイルスの排出を阻害してしまうので使用しません。
感染性胃腸炎にかかった時のご家庭での注意点は2点です。
水分補給は十分に行ってください。
下痢や嘔吐で体の水分が無くなりますので、常に水分補給することを心がけてください。
特にお子様が感染性胃腸炎にかかった場合は、下痢や嘔吐を嫌がって水分をあまり摂らなくなり脱水症状になることがありますので、保護者の方が意識的に水分補給をさせてあげてください。
その際には、経口補水液を常温か人肌に温めてから少量ずつ数回に分けて与えてください。
水やお茶では体液が薄まってしまうので、水分補給には適していません。
排泄物や、吐しゃ物を適切に掃除してください。
感染性胃腸炎にかかっている時は排泄物や、吐しゃ物にウイルスが含まれていますので、適切に処理しないとご家族の方にも感染します。
症状が治まった後もウイルスの排出は続きますので、1週間~1か月は注意しましょう。
【汚物の処理方法】
汚物を処理する際は直接触れないように、手袋、エプロン、マスクを使用しましょう。
汚物がついた服やタオルは袋に入れて周囲を汚染しないようにして、消毒を行います。
【消毒の方法】
85℃で1分間消毒する
次亜塩素酸ナトリウムで消毒する(ご家庭の場合は、塩素系漂白剤で代用できます。)